今年度は、前年度までの研究をもとに、急性期ケアプロトコールを作成し、その評価を行った。対象となった看護師は38名、看護師が述べた患者は27名で、急性期ケアプロトコールを平成14年10月から平成15年1月まで実施し、その評価について看護師にフォーカスグループを用いて面接調査を行った。急性期ケアプロトコール実施後、<地域との連携・他職種との連携が行いやすくなる><患者の安定するセルフケア状況が確認できる><家族へのケアが行いやすくなる>のカテゴリーが抽出された。 <地域との連携・他職種との連携が行いやすくなる>では、「保健師・民生委員など地域資源を考えやすくなり、入院中から会合をもちやすくなる」「他職種との話しあいが早期に行われるようになる」の下位カテゴリーが抽出された。また<患者の安定するセルフケア状況が確認できる>では、「患者の病状とセルフケアの安定を患者のこれまでの生活を知りながら考え、目標が設定しやすくなる」「患者とのコミュニケーションがとりやすくなる」の下位カテゴリーが抽出された。さらに<家族へのケアが行いやすくなる>では、「家族の思いを早期にきくことができるようになる」「家族の患者への対処行動を入院中から話しあえる」の下位カテゴリーが抽出された。これらの結果をもとに精神障害者の地域生活促進のための急性期ケアプロトコールについて討議を行った。
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