平成13年に行った前調査について投稿の準備がほぼ終了。前調査において、慢性疾患である心疾患患児は家族や友達からの励ましで治療に立ち向かおうとしていることや、治療後には充実した学校生活が送られるのではないかと前向きであることが推測された。また、患児は健康な精神発達段階にあると思われた。患児の自己概念とソーシャルサポートには相互作用がみられ、親子間では男児において相互に作用していることが示唆された。その結果、半構成化面接、日本版自己概念、ソーシャルネットワークマップの尺度は慢性疾患患児(小児がんを含む)のresilienceを知るために妥当だと判断した。ただし、患児が回答しにくい抽象的な面接項目の内容改正が必要と思われたため、本調査での面接項目を大まかに病気への認識、入院中、入院後、学校生活、友達関係、3つの願望に改正した。 本調査を平成13年8月から開始し現在までに5例のデータを得ている。面接データ解析はGrounded Theory研究でStrauss and Corbinの解析方法でおこなっている。1・2例目の解析でのコード化の結果、告知時、入院時、退院時、退院後の経過の中で患児のコーピング方略が経過とともに変化している傾向がみられた。3例目からは患児のコーピングに対して時間的経過での変化を意識した面接を行いカテゴリー化を進めている。自己概念測定尺度とソーシャルネットワークマップは対象者全体の傾向やレベルを知る目的での調査であるためデータ解析はまだ行っていない。
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