筑波大学体育専門学群で2000年度1学期に実施した体育授業・理論実習IIにおいて、授業のプランを作成し、それを時差委に模擬授業として実施した。また、授業終了後には、レポートを科し、授業の事実、事実を生み出した原因並びに改善に向けての提案ができるようになるか否かを検討した。 体育授業理論・実習IIは、教材づくりに取り組むI(2年生3学期)と一般学生の体育実技の授業に参加するIIIの間に位置づけられる。そのため、この授業は、三段階で構成されている。第一段階は、指導案を作成する段階である。第二段階は、作成した指導案をもとに実際に模擬授業を行う段階である。第三段階は、実施した模擬授業の成果を全体として総括する段階である。 模擬授業の段階では、生徒役グループ、観察役グループ並びに授業実施グループに別れて対応する。観察グループには、指導案と実際に展開された授業の時間配分での一致度、教師のフィードバックの頻度、学習者の行動について記録を取ることを求めた。また、取った記録は、毎時間終了時に紹介した。また、その時間で処理できないデータは、次の時間に紹介した。 その結果、これらの行動観察からは、フィードバックの回数が40前後で頭打ちになることや運動学習場面を確保できるようになるとはいえ、導入やまとめに関しては予定された時間配分と実際に展開される時間配分のずれが残ったままに終わった。 また、レポートの分析からは、事実の指摘からその原因解明へ、さらには事態改善に向けての提案を行うというサイクル性のあるレポート作成には限界があることが確認できた。
|