研究概要 |
これまでに,健康的な男女約800名(20歳代〜80歳代)の下肢の筋量(MRIによる),筋力及び歩行能力について検討した. 今回のキーワードとして,プロダクティビティを達成するための生活機能を高齢になっても維持・増進するための具体的なガイドラインの構築を目指している. 今年度は,生活機能の維持・増進のためには,歩行能力を維持・増進することが肝要(これは寝たきりにならないという意味だけではなく,高齢になっても就労できるというような積極的な意味を持つ)と考え,歩行能力(岡田班)と筋量(久野班)との関係を検討した.その結果,歩行能力の低下は歩幅の短縮に強く依存していることが明らかになり,その歩幅の短縮は,股関節に位置する大腰筋で大腿部の伸筋量の加齢による低下に依存することも明らかとなった.これらの筋量の回復のためには,週一回程度の筋力トレーニングが安全面からみても適当であることも確認され,これにより筋量が回復すると,歩行機能も同時に改善されることも明らかにできた.
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