研究課題/領域番号 |
12680023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
吉田 和人 静岡大学, 教育学部, 助教授 (80191576)
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研究分担者 |
杉山 康司 静岡大学, 教育学部, 助教授 (10206443)
村越 真 静岡大学, 教育学部, 助教授 (30210032)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 卓球 / 筋活動 / 上肢の動き / 内観 / 動作修正 / 視覚制御 / サービスレシーブ / フリック打法 |
研究概要 |
本研究の目的は、卓球選手の打球直前の動作修正が、選手の内観の通り、自領コートでのボールバウンドから打球までの間のボールの視覚情報を用いて行われているかについて検討することであった。 3回の実験を行、大学卓球選手7名(エリート選手1名と一般選手6名)を対象に、フォアハンドフリック打法における上肢の筋活動、手関節と肘関節の動きおよび選手のラケットコントロールに関する動作内観を検討した。試技は、下回転と無回転の2種類のショートサービスに対するレシーブとし、事前にボールの回転を伝えておく条件(既知条件)、ボールの回転を判断する条件(判断条件)、人為的に発生させたイレギュラーバウンドボールに対応する条件(イレギュラー条件)の3条件下で行われた。結果および考察は以下の通り。 1)既知条件におけるフォアハンドフリック打法では、2種類のサービスに対して、いずれのグリップの選手も、最初に尺側手根伸筋や総指伸筋などの伸筋群に放電が認められ、それに引き続き、インパクト直前から直後に橈側手根屈筋に放電が認められた。この時の自領コートでのポールバウンドからインパクトまでの時間は180ms前後であった。この時間について、被験者ごとの2種類のサービス間で有意差はみられなかった。 2)判断条件において、被験者自身の内観によって報告された判断時点は、ボールがサーバーコートにあるうちがほとんどであった。筋放電開始時や開始順については、既知条件との間に明確な違いはなかった。 3)イレギュラー条件では、特にエリート選手において、インパクト前後に約40msの筋放電休止期間が尺側手根伸筋などにみられた。動作映像などと合わせて検討すると、ポールバウンドからインパクトまでの約180msの間に、ボールのイレギュラーバウンドに関する視覚情報が処理され、動作を瞬時に修正していたと考えられた。
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