本研究で開発しようとする「体育における学習意欲診断システム」は、(1)体育における学習意欲、(2)体育における学習意欲を規定している要因、(3)体育における学習意欲に関連する行動様式や態度を多面的・総合的に診断するものである。これらのうち(1)の体育における学習意欲を測定する検査に関しては、本研究代表者によって既に標準化されている。 平成12年度は、(2)の規定因と(3)の行動様式や態度を測定する尺度構成の準備段階であり、これまでに手がけてきた先行研究や種々の文献検索を行い、尺度構成のための変数を選定することが目的であった。そのために、小学校の先生方と積極的に意見交換や討論会を持つと共に、外国の研究者からもこの研究に関するレビューを受けた。その結果、現在のところ以下のような変数が考えられた。 <体育における学習意欲を規定する要因> (1)興味、(2)目標設定、(3)学習成果の見通し、(4)教師の指導、(5)友人の支援、(6)クラスの雰囲気、(7)身体的健康 <行動様式や態度など> 行動様式:(1)個人型(一人でコツコツと行うのが好き)、(2)集団型(みんなと一緒に学習するのが好き)、(3)熟慮型(よく考えてから行動するのが好き)、(4)活動型(活発に運動するのが好き)、(5)競争型(競争しながら行うのが好き) 教科などの好き嫌い「国語、算数、理科、社会、音楽、図工、体育、家庭、道徳、クラブ活動、運動会、委員会活動、音楽会、社会見学旅行、就学旅行、遊び、テレビゲーム、テレビ、地域のスポーツ活動(スポーツ少年団、スイミングスクールなど)」 「親友、相談相手、家庭のあたたかさ」の有無など
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