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2001 年度 実績報告書

ラット骨格筋内のストレス蛋白質の発現変化

研究課題

研究課題/領域番号 12680041
研究機関熊本大学

研究代表者

大石 康晴  熊本大学, 教育学部, 助教授 (10203704)

キーワードheat shock protein / クレンブテロール / ミオシン重鎖 / HSP72 / 骨格筋 / 筋線維横断面積 / 肥大 / 筋繊維組成
研究概要

本年度は、骨格筋内の熱ストレス蛋白質の発現変化を検討する目的で、下記の研究を行った。
1「クレンブテロール投与によるラット骨格筋内の熱ストレス蛋白質の発現変化」
クレンブテロールは、骨格筋の重量を増加させるとともに、筋線維の肥大や速筋化を引き起こすことが知られている。本研究は、クレンブテロール投与による単一筋線維内のミオシン重鎖成分の変化、熱ストレス蛋白質の一種であるHSP72の変化を検討した。実験には雄の成熟Wis tarラット20匹を用い、10匹をクレンブテロール投与群、残り10匹をコントロール(無処置)群とした。実験群には飲料水にクレンブテロールを溶かし(30mg/Liter)これを飲水させた。餌は自由摂取とした。4週間の実験後、両群より下肢骨格筋を摘出した。
クレンブテロール群では、コントロール群に比べ、体重と筋重量(ヒラメ筋、足底筋、腓腹筋)の有意な増加が認められた。筋線維横断面積では、全ての筋において速筋線維の選択的な肥大がみられた。また、ヒラメ筋では速筋繊維の占有率の増加が認められると共に、部分的に枝分かれした筋線維(スプリットファイバー)が認められた。ヒラメ筋単一筋線維のミオシン重鎖成分は、遅筋型のMHCIを含む筋線維が減少し、側筋型のMHC IIxが新たに発現すると共に、MHC混在型の筋線維が有意に増加した。さらに、HSP72発現量は、足底筋と腓腹筋では変化はなかったが、ヒラメ筋では有意な減少が認められた。
以上の結果から、クレンブテロール投与により、特に遅筋のヒラメ筋では、組織レベルと単一筋線維レベルから速筋化が確認され、同時にHSP72発現量は減少することが明らかとなった。これらの変化の関連やそのメカニズムの解明は今後の課題である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yasuharu Oishi et al.: "Expression of heat shockprotein72 in atrophied rat skeletal muscles"Acta Physialogica Scandinavica. 172. 123-130 (2001)

  • [文献書誌] 大石康晴: "ラット骨格筋への熱負荷にともなう熱ショックタンパク質の発現変化"体力科学. 50. 193-200 (2001)

  • [文献書誌] 緒方智徳: "骨格筋再生過程における熱ショックタンパク質72の変化"体力科学. (受理). (2002)

  • [文献書誌] Yasuharu Oishi et al.: "Muscle type speafic recpovse of HSP60,HSP72 and HSC73 duriny after the elevation of muscle tenperatare"Journal of Applied Physiology. (aeaptcl). (2002)

  • [文献書誌] 宮村美晴: "新運動生理学(上巻)"真興交易(株)歴所出版部. 381 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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