• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

運動による免疫増強作用と免疫調節性サイトカインの遺伝子発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12680045
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

杉浦 春雄  岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (40187646)

キーワードマクロファージ / 一酸化窒素 / サイトカイン / mRNA / 運動
研究概要

若齢期からの継続的な運動がマウス腹腔マクロファージのサイトカイン産生およびその遺伝子発現に及ぼす影響について検討した。生後4週齢のBALB/c系雄性マウスを用い、運動群(n=15)と安静群(n=15)の2群に区分した。運動は、運動量測定装置を用いた自発運動を暗期の12時間、週3日、8週間にわたって実施した。結果の概要は以下のようであった。
1.一日あたりの平均走行距離(m/day)について:実験期間中、運動群の一日あたりの平均走行距離は、約6,000〜10,000mを推移した。運動開始4週間まで漸次増加し、その後低下傾向を示した。
2.体重、食餌摂取量、胸腺重量、副腎重量および前頸骨筋重量:(1)体重、相対胸腺重量および相対副腎重量では、両群ともに同様な値を示し差異は認められなかった。(2)食餌摂取量と相対筋重量では、安静群と比較して運動群が有意に高値(P<0.01)を示した。これらの結果から本研究で用いた運動は、マウスにとって負のストレスではなかったことが推察された。
3.腹腔マクロファージ機能について:(1)貪食能と酵素活性では、運動によりグルコース消費能およびlysosome酵素活性は有意に高値(P<0.01)を示した。(2)一酸化窒素(NO_2^-)産生能(LPS刺激)では、安静群と比較して運動群が有意に高値(P<0.01)を示した。一方、NO_2^-産生抑制薬であるL-NMMA刺激により運動群のNO_2^-産生を完全に抑制した。(3)サイトカイン産生能(LPS刺激)では、運動群でIL-1β、IL-12およびGM-CSFが高値を示し、安静群と比較して有意差(P<0.05-P<0.01)が認められた。TNFαは運動群で高い傾向を示した(P<0.1)。(4)遺伝子発現能では、運動群のNO_2^-、GM-CSFおよびIL-12が有意に高値(P<0.05)を示した。IL-1βとTNFαでは両群同様な値を示した。
以上の結果から若齢期からの継続的な運動は、マウス腹腔マクロファージの貪食機能、LPS刺激に対するNO_2^-産生能およびサイトカイン産生能を増強することが明らかとなった。さらに、継続的な運動はマクロファージが産生するサイトカイ遺伝子発現の一部に影響を及ぼすことが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Sugiura,S.H.Mirbod, et al.: "Effects of different durations of exercise on macrophage functions in mice"Journal of Applied Physiology. 90(3). 789-794 (2001)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi