研究分担者 |
岡田 暁宜 愛知医科大学, 衛生学, 助手 (20319320)
宮原 一弘 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 助手 (90315903)
高石 鉄雄 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 助教授 (50216610)
田中 喜代次 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (50163514)
早野 順一朗 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (90173054)
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研究概要 |
平成12年度は、自宅で実施可能な運動プログラム(home-based exercise program)を作成し、地域在住の高齢者を対象に一定期間(3ヶ月間)指導し、この有効性を検討した。運動群39人(平均年齢70.6±6.9歳,男13人,女17人),非運動群30人(比較対照,71.8±6.2歳,男16人,女20人)であった。本プログラムは,最終的にはウエルラウンドエクササイズを実施することをねらいとするが,今回は主に筋力強化に主眼をおいたプログラムを用いた。運動プログラムは,基本的には自宅で実施する運動方法を用いたが、運動を正しく実施するために、週に一日大学施設などを利用し,運動指導をおこなった。筋力づくり(レジスタンス)バンドエクササイズを用いて椅座位にて実施させた。ストレッチは座位にておこなったがビデオテープなどを用いて正しい方法を習得させた。12週間に亘る自宅型運動により、筋力(Chair Stand,Arm Curl)、柔軟性(上体反らし,functional reach)、敏捷性または動的バランス(Up & Go),瞬発力(垂直跳び)に群別、経時変化に交互作用が認められ、顕著な改善が示された(P<0.05)。Back scratch,Sit and Reachの柔軟性においても改善の傾向が認められた(P<0.10)。 本研究からは、筋力の改善を中心に高齢者の家庭型運動による効果が観察され、健康づくり,機能的自立への有効な手段になりうるものとみられた。しかし,改善率と運動前の機能水準との間には多くの項目で負の関係が認められ,体力低位の者には有効な方法であるとみられたが,家庭型運動の限界と有効範囲が示された。
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