研究概要 |
レジスタンス・トレーニングが両側性機能低下に及ぼす影響については、両側性のトレーニングを行うと両側性に発揮した筋力が一側性に発揮した筋力よりも顕著に増加し、一側性のトレーニングを行うと一側性に発揮した筋力が両側性に発揮した筋力よりも顕著に増加する。すなわち、両側性機能低下の程度は、両側性トレーニングによって小さくなり、一側性トレーニングによって大きくなるというlateral specificityが見られる(Hakkinen, et al.,1996;谷口,1994,1995,1997;Taniguchi,1997)。ただし、これは一側性トレーニングを左右両肢について実施した場合であり、左右のどちらか一肢のみのトレーニングが両側性機能低下に及ぼす影響については、明らかにされていない。そこで、体育大学男子学生41名を一側右脚群、一側左脚群、一側左右脚群、両側群、コントロール群に分け、等速性脚伸展パワートレーニングを120cm/sの速度で週3日、6週間行わせ、両側性機能低下の割合(BI)の変化を調べた。トレーニング開始前には5群のBI間に有意差はなかったが、トレーニングによって一側右脚群、一側左脚群、一側左右脚群はBIが負の方向にシフトし、正の方向にシフトした両側群のBIとの間に有意差(P<0.05)が認められた。したがって、一肢のみの場合も左右両肢について実施した一側性トレーニングと同様の影響を持つことが明らかになった。
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