研究概要 |
本研究では、本学所沢キャンパス周辺住民を対象として実施された各種フィットネスプログラムならびに所沢地域住民に対する無作為抽出調査の結果を基盤として、1)フィットネスプログラム参加者の特徴を推計し、2)各々のプログラム(介入)が当人の健康状態あるいはライフスタイルをどのように改善するのかについて検証し、3)その参加者がその後どのように運動を継続して健康的なライフスタイルを保持していくかということを評価することを目的とした。 平成12年度は、早稲田大学所沢キャンパス周辺住民から無作為に抽出された人々(1000人)を対象として日常生活活動・運動習慣・健康意識・QOLなどに関する質問紙調査を実施した。その結果を踏まえて各種フィットネスプログラム参加者の特徴を分析した。その結果を踏まえて各種フィットネスプログラム参加者の特徴を分析した。その結果、(1)男性対女性の割合が1:2で、(2)50歳以上が半数を占め、(3)女性では主婦、男性では無職と、(4)比較的平日の自由時間が多いという特徴が抽出された。また、健康・体力及び運動・スポーツについての意識と実態を、市民と比較すると(1)健康・体力に、食生活や運動・スポーツの実践で注意を払いながらも、(2)いまだ運動不足と感じており、(3)定期的にウオーキング、軽い体操、ハイキングを、(4)それら運動・体力つくりと運動不足という意識から実践している点が特徴的であるという知見を得た。 平成13年度は、特に「ウオーキングプログラム」の参加者を対象として、介入プログラム実施後の身体活動量の定着におよぼす要因ついて検証した。その結果,プログラム終了1年後の日常生活活動量(日歩数)において,教室指導群では高値を維持し,自主歩行群ではプログラム前の値と有意な差がみられなくなり逆戻りするという傾向にあった.また,プログラム前の日常生活活動量の低い者ほど,維持期においても有意に高値を示し,プログラムの効果は高かった. このフィットネスファームの枠組みが確立したことによって多様な研究ができる基盤が整った。今後の展望としては、提供するプログラムへの参加者類型を特化することによって、「どのような人々に対して」・「どのようなプログラムを実施すれば」・「どのような効果が現れるか」という行動科学的観点からの研究も展開可能となり、新たな成果も期待できる。
|