研究概要 |
1992年より「力石」の研究を始め、現在、日本全国から約30,000個の情報即蓄積できた。 これらを順次実測調査した結果、著書6編、論文および自治体広報など約140編をまとめ、5,000個以上の「力石」が報告出来た。 なお報告した都道府県別内訳は、青森県、秋田県、東京都、京都府、大阪府、秋田県、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、長野県、福井県、富山県、石川県、静岡県、愛知県、岐阜県、三重県、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県、岡山県、広島県、愛媛県、福岡県、鹿児島県である。 これらの報告のうちから「三重の力石」「播磨の力石」「京都・滋賀の力石」「大阪の力石」「東京の力石」「奈良・和歌山の力石」を出版した。現在、「愛知・静岡の力石」を執筆中であり、以後、全国の力石を整理し、順次、出版の予定である。 これらの調査において、各自治体の「力石」に対する認識が深まり多大な協力が得られた。また各地の「力石」保存の動きが活発になりつつある。すなわち「力石」が体育史学的および民俗学的な文化遺産として見直される動きが活発になり、さらに「力石」を用いての「力持ち(力くらべ)」がなわれている地域の紹介などから「力石による力持ち」が復活した所も出てきた。 過去には、全国ほとんどの集落で行なわれていた「力石による力持ち」であるが、その存在と意味を知る人々が少なくなりつつある今、早急な調査が必要である。 この体育史学的見地からの「力石」について大学関係の研究者は申請者(高島)のみである。 現在も新しい情報が入手できており、これまでの実績を元にさらに広範囲な調査を続行している。
|