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2000 年度 実績報告書

成人女性における暑熱・寒冷反応とそれらに及ぼす運動習慣の影響

研究課題

研究課題/領域番号 12680063
研究機関大阪国際女子大学

研究代表者

井上 芳光  大阪国際女子大学, 人間科学部, 教授 (70144566)

研究分担者 小倉 幸雄  大阪国際女子短期大学, 幼児教育科, 講師 (00300301)
米浪 直子  大阪国際女子短期大学, 家政科, 講師 (70291979)
平田 まり  大阪国際女子大学, 人間科学部, 助教授 (90173244)
キーワード発汗 / 皮膚血流量 / 暑熱刺激 / 運動トレーニング
研究概要

昨年度,女性は男性に比し発汗よりも皮膚血管拡張に依存した熱放散特性を有し,その傾向は大腿で顕著であり,女性の低い局所発汗量(m_<sw>)は大腿を除く前額・胸・背・前腕で顕著だったことを報告している。そこで,本研究では運動鍛錬者11名(T群)と同非鍛錬者13名(U群)の黄体(高温)期と卵胞(低温)期に30℃環境下で下肢温浴(42℃)を60分間負荷し,両群の熱放散反応を身体多部位で比較し,そのメカニズムも併せて検討した。各種女性ホルモン濃度は,T・U群とも低温期から高温期に有意に増加したものの,その増加の程度はT群がU群より小さかったため,高温期ではT群が有意に低かった。下肢温浴前・中の直腸温および平均体温は性周期に関わらずT群がU群より有意に低かったが,U群では高温期に低温期より有意に上昇したもののT群にはその傾向がみられなかったため,高温期でそれらの群差がより顕著になった。下肢温浴直前値に対する変化率で示した前額・胸・背・前腕・大腿の皮膚血流量の経時的変化には,低・高温期とも運動トレーニングの影響がみられなかった。一方m_<sw>は,低・高温期とも胸・背・前腕でT群がU群より有意に高かった。これらの結果は,女性の運動トレーニングによる熱放散反応の改善は,男性より劣っていた身体部位の発汗反応で顕著だった。さらに,運動トレーニングにより発汗・皮膚血管拡張の中枢および末梢機構の活動性が改善されることが発汗波頻度vs平均体温,局所発汗量vs発汗波頻度,皮膚血流量vs平均体温の対応関係から示唆された。また,これらの中枢機構におけるトレーニングの影響は低温期より高温期で顕著だった。末梢における改善の程度は皮膚血管拡張機序より発汗機序で顕著であり,これらの末梢の改善にも身体部位差が存在した。また,運動トレーニングに伴う発汗量の増大は,単一汗腺出力より活動汗腺数の増加に依存することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 井上芳光: "高齢者における運動時の熱放散反応特性とスポーツウェア"繊維製品消費科学. 41・4. 396-402 (2000)

  • [文献書誌] Knodo N et al.: "The function of human eccrine sweat gland during passive heat stress and dynamic exercise"J.Appl.Physiol.. (in press).

  • [文献書誌] 井上芳光: "人の体温調節における発達・老化特性"人間科学研究. (印刷中).

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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