本研究は、3歳から6歳までの日本人幼児期における身体組成を縦断的に研究することを目的としている。本年度はその1年目であるため横断的な結果を基に以下の分析を実施した。 被験者:3歳から6歳までの健康な男児159名と女児144名の合計303名を対象に、12項目の人体計測、14部位の皮下脂肪厚およびインピーダンス法を用いた身体組成の測定を行い、総体脂肪量、皮下脂肪量、体内深部脂肪量、除脂肪量およびこれらの体重に占める割合を算出した。また、日本人幼児の身体組成に関する標準値が皆無であるため、全ての被験者のBMI値からパーセントタイル(%ile)値を求め、25〜75%ileにある幼児のみをコントロール群として比較検討した。 分析1.日本人幼児の身体組成における標準値 結果:標準的体型にある幼児の総体脂肪量は、男児で3歳児2.9kg、4歳児2.8kg、5歳児3.2kg、6歳児3.9kgであり、それぞれ体重の19.3%、17.0%、16.8%、18.4%、女児では、3歳児3.2kg、4歳児3.1kg、5歳児3.2kg、6歳児4.2kgであり、それぞれ体重の21.1%、19.1%、18.4%、20.4%に相当した。 分析2.日本人幼児の身体組成における性差 結果:幼児期の総体脂肪量や体脂肪率に有意な性差は認められなかったが、皮下脂肪量とそれらが体重に占める割合に関してはほとんどの年齢で女児が有意に高い値を示した。しかしながら、これらの結果に明らかな裏付けはできなかった。
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