2000年度の石灰岩溶食量の測定は、当麻、阿武隈、秋吉台、四国大野ヶ原、龍河洞、南大束島でおこなった。さらに溶食にかかわるであろう要素CO_2(空中と地中)、地温、水分量の測定を季節ごとにおこなった。2000年度は降水量が多く、これまでの7年間の測定期間中の結果と比較すると、溶食量が大きい年であった。これまでの結果とあわせて2000年度分を、図表化して、データベースを作ったが、モデル化の試案は作成中である。さらにあぶくま洞と入水洞の地下水中のカルシウムとマグネシウムの濃度の分析をおこない、季節変化を考察しつつある。土壌中のCO_2濃度と洞窟内の滴水、地下水のカルシウムの濃度との関連性も、溶食モデルの構築に含めることを検討中である。 今年度はカルスト関連の1999年発行の最新の文献を世界中からe-mailで集めて、文献目録を作成した。世界の最新のカルストの成果のなかからモデル化を構築するうえでの最新の情報を得た。
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