寒冷地における高断熱・高気密住宅の住まい方には、家族の共有空間と個人の居住空間とによって相違が見られた。本年度は世帯主の子供世代(1群・小学生、2群・中学生、3群・高校生、4群・大学生)に着目し、その個人的居住空間の自己管理状況について調査し、その自室管理状況を空気中の微生物検定により観察した。子供世代の自室保有率は小学生群でも9割と高いが、発達段階ごとにさらに高まり、きょうだいとの共有は減少し、個室化する傾向が高い。この傾向は自室管理関与にもあてはまり、清掃を行う動機やきっかけは「友だちが来る」や「親に言われて」が多く、定期的な生活行為として定着していない等生活習慣化や主体的な管理態度の欠如も見られた。また、小学生群にとって清掃とは「机の上の整理」や「ゴミ捨て」「室内整頓」などの掃除行為そのものの前段階の行為と認識され、「掃除機をかける」等が清掃槻念に入ってくるのは中学生群以降である。 また、中学生の自室内の微生物検定においては、住居内の個室の位置や開口部などの構造的要因と、管理行為等の因子が複合的に関与するため、掃除回数や仕方など管理面のみの一元的因子との関連での把握は難しいことが分かった。 高齢女子の運勤量を四季にわたって観察し消費エネルギー量や着衣量との関連を見た結果、衣生活行動から寒冷刺激への身体保護指向、食行動から特に冬季のエネルギー摂取不足が見られ、寒冷期の熱源不足がとりわけ高齢女子の着装行動に影響していることが分かった。同じく高齢女子の歩行量とエネルギー消費量の関連を見ると、何れも冬季に最低となった。したがって寒冷期の運動量の低下が摂取エネルギーと着装行動に影響していることが分かった。
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