現在、全国の都市で中心市街地の空洞化が大きな問題となっている。金沢市も中心市街地の人口の減少、高齢化の進行、空き地や空き家の増加、小売商店数や従業員数の減少など例外ではなく、中心市街地活性化法を受け活性化事業に取り組んでいるが、その中で特に重要だと思われるのは住環境づくりである。中心市市街地の空洞化は、居住の場として成り立たなくなったことが始まりである。従って、定住の場として魅力ある中心市街地の住環境をつくっていくことが必要であると思われる。そこで本研究では、より詳細に問題点を把握し、中心市街地が定住できる住環境となるための示唆を得るために、高齢者、子ども、女性にとっての中心市街地居住の問題点やあり方について検討する。本年度は中学生までの子どもを視点にした調査研究を行っている。平成12年7月〜8月に中心市街地における子どもの外遊びの実態観察調査及び面接調査を実施した。平成13年2月〜3月にも同様の調査を現在実施中である。第2回調査は実施中であるため調査結果が未だ出ていないが、第1回調査では以下のような結果が見出せた。子どもには暑さを避けてエアコンの効いた図書館や児童館に人気がある。これらの施設では子ども向きの講座やクラブが開催されていることもその一因である。屋外では人気のない公園が多い一方で子どもの集まる公園も存在した。その要因は自宅の近さや規模によるのではなく、民家に囲まれていて人目に守られていることや、公園まわりの自動車通行の頻度などに影響されているのではないかと推測される。今後さらに詳細にその要因を探り、子どもの求める市街地の姿を検討する予定である。
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