研究課題/領域番号 |
12680103
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
眞野 倖一 信州大学, 繊維学部, 教授 (90047150)
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研究分担者 |
清水 義雄 信州大学, 繊維学部, 教授 (20150675)
佐渡山 亜兵 信州大学, 繊維学部, 教授 (70273076)
上條 正義 信州大学, 繊維学部, 助手 (70224665)
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キーワード | 肌触り / 着心地 / 表面粗さ / 粗視化 / テクスチャー / 布地 / 粗さ感 / 感性工学 |
研究概要 |
今年度行なった研究は以下の通りである。 目的 本研究では、衣服の着心地の快適性の一要因である服地の肌触り感覚に着目し、服地の肌触りにおける快、不快感を生理反応を計測することによって評価する手法を作成する。本年度は、服地表面の粗さを定量的に指標化するための生地テクスチャーの測定方法と生地テクスチャーの数理モデルの作成について実施した。 内容 1.生地の見た目の粗さ(テクスチャー)の計測方法 2.生地の見た目の粗さ(テクスチャー)の数理モデル作成 成果 肌触りの要因となる布地の表面粗さの1要素であるテクスチャーを数理的に表現する方法について、本年度検討した。人間が布地表面を評価する場合、観測距離や角度を変えて布地表面を観測し、得られた情報から総合的にテクスチャーを評価していると考えられる。本研究では人間のテクスチャーの観測方法を模倣した新しいテクスチャー解析方法を提案した。布地に対して観測距離を変えながら複数の画像を採取し、これらの画像から布地のテクスチャーの特徴を表現する数理モデルを作成した。観測距離が異なる画像は、粗視化を変えて同一テクスチャーを観察することと等価である。粗視化の概念から不規則形状を表現する数理モデルとしては、フラクタル理論がよく知られている。本研究ではフラクタル理論に基づき同一被写体の複数画像から被写体テクスチャーの複雑な幾何学形状を表現するフラクタル変数を定義した。この変数が、テクスチャーの幾何学的特徴を表現する数理モデルとして有用であるかを分類実験によって検証した。分類手法として最尤法を用いた。50個のデータを用いて分類実験を行った結果すべて正しく分類された。この結果から、本研究で提案したテクスチャー計測方法が布地の表面特性を表現する方法として有用であることが示唆された。
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