高齢者の睡眠環境に関するアンケート調査を行い、高齢者が日常的におかれている睡眠環境・寝室の空調等と睡眠の実態を把握し、比較対照として、青年・中年群との年代的な比較考察を試みた。調査内容は、日常生活行動(健康状態、食事時間、外出・勤務時間、家事活動時間・内容等)、睡眠状況(日常の起床・就床時間、昼寝時間、睡眠様態、睡眠満足度等)、寝室実態(居住住居状況、冷暖房の使用時間、使用器具、使用時期、寝室快適性等)、寝具状況(寝具、寝衣状況、寝床内の温冷感評価)とした。配布方法は、自記留置法(一部聞き取り)で回答を得た。回収率は84%、有効回収率は83%で、20歳代から80歳代までの男女の冬期627票、夏期1447票の有効回答を得た。 その結果、年齢により就寝・起床時刻が遅くなり、全体に朝型の者が増加するが、中途覚醒の増加などの睡眠様態も変化していることがわかった。また高齢者では入眠時の気配りや、寝床内暖房を使用率が増しその傾向は女性の方が高く、睡眠に関する様々な気配りを行い、寝床内を整えており、睡眠充足感や睡眠満足度は高い。逆に睡眠の質の低下はそれほどではないと考えられる中年群の方が、仕事や家事育児により睡眠の充足感が得られておらず、余裕のない生活が睡眠にまで影響を及ぼしていることが伺われた。
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