交通安全を考慮して安全服を設計する目的で衣服の目立ちについて研究してきた。その研究の一貫として「目立つ」ということについて分析することとした。目立つということは、際だって見えること、そこの空間でまわりと少し違って見えることである。特に被服の観点から目立ちを考えるとかがやきが関係していると思われる。ドレスの見えのモードが変化して、物体色から光源色として見えているからと観察される。みえのモードの変化を測定する丁度良い測定器がないので、測定装置は組み立てた。実験装置は実際の空間の中に置いた一つの色刺激の目立ち特性を評価する事のできる装置である。 実験室は日常生活の場を模し、その空間に刺激を提示し局所照明によって刺激を照明するものである。実験装置の機器設計は池田が、機器の製作は芦澤が分担した。装置の概要は、実際の現場が想定できるようないろいろな物体が周囲にあるようなところに、1つの色刺激を提示し、しだいに局所照明の強さを上げていくと、その空間内の物体としては不自然に見え、それだけが目立って見える、その限界点を測定するというものである。したがって、被験者が空間の中に提示された1色刺激をみながら与えていく局所照明の量を微妙に変化させ、物体色としての限界(これを外限という)をとらえることのできる装置であり、与えた光量を数値でとらえることができるもので、「光源システム」を中心に製作した。 実験は本年は布地表面の見えの物体色として見える限界点の測定を行い、布地の目立ちをいろいろな色と織り方で評価した。 刺激は布地の3原組織の平織り、綾織り、繻子織りの3種類を用いた。、綾織りと、繻子織りは縦と横の2方向とした。色は赤、緑、黄色、青、白の5種類である。 実験結果 1 外限値、光源色への変化点は明るさで決まっているのではない。 2 外限照度にある照度をあたえると 光源色モードになる。 3 布地のモードの変化は輝度で良く表され、色によって違う。
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