子供や高齢者の交通事故を防止するために安全服を設計する目的で衣服の目立ちについて研究してきた。今回は実際の現場が想定できるようないろいろな物体が周囲にあるようなところに、1つの色刺激を提示しその空間内の物体としては不自然に見え、それだけが目立って見える、その限界点を測定するというもので、昨年は物体色の外限、本年は実験1で光源色の入り口、実験2で「きれい」に見える点を測定した。実験は昨年造った光源装置を使用し、布地表面の見えが光源色モードになりはじめた点をとらえた。さらに、被服として大切な「きれい」にみえるところを判定した。刺激は布地の3原組織の平織り、綾織り、繻子織りの3種類を用いた。、綾織りと、繻子織りは縦と横の2方向とした。色は赤、緑、黄色、青、白の5種類である。照度は交通安全の観点から環境照度を夕方の薄明視の入り口の101xに設定し、刺激と観察者が同じ視空間にいるようにして実験を行った。より、実際の場えの応用がしやすいことを考慮した。 実験結果はまず、織り方による差をみたところ、織り方による差は小さく、色の影響が大きかった。平織り、綾織りともに物体色の外限値、光源色モードの入り口、いずれも色により異なり黄、白の2色は赤、緑、青に比較し高い輝度が必要である事がわかった。また、物体色の外限値、光源色モードの入り口いずれもほぼ、並行的に曲線は移動し、外限照度にある量の光を与えると光源色モードになることが示された。 実験結果 1、外限照度にある照度をあたえると光源色モードになる。 2、光源色モードの入り口に達する照度は布地の織り方による差より色による差がはるかに大きい。 3布地のモードの変化(物体色モードの限界、光源色)は輝度で良く表され、色によって違う。 4、「きれい」と判定される所はいずれの布地も物体色の外限を出た所であり、その、大小は個人差がある。 5、モードの変化に要する輝度は白、黄が高く、赤、青、緑は低い。
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