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2001 年度 実績報告書

野菜のビタミンC合成酵素の遺伝子制御と活性増大メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 12680145
研究機関名古屋女子大学

研究代表者

大羽 和子  名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (80023480)

研究分担者 松岡 信  名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (00270992)
藤江 歩巳  名古屋女子大学, 家政学部, 副助手
キーワードアスコルビン酸 / L-ガラクトノラクトンデヒドロゲナーゼ / タバコBY細胞 / アンチセンスコンストラクト / 細胞分裂 / 形質転換植物 / ビタミンC
研究概要

高等植物の組識にはミリモル濃度のアスコルビン酸が蓄積していることがよく知られている。アスコルビン酸は抗酸化剤として働き、光合成、酸化的代謝や種々のストレスで生成されるフリーラジカルや活性酸素を消去することによって、植物を酸化障害から保護している。アスコルビン酸はまた細胞分裂、伸長、肥大にも関与している可能性がある。高等植物におけるアスコルビン酸生合成の最終段階を触媒する酵素はL-ガラクトノ-γ-ラクトンデヒドロゲナーゼ(EL1.3.2.3,GLDH)である。本研究ではタバコのBY-2細胞のGLDHのcDNAをPCRによりクローニングした。GLDH遺伝子をアンチセンス方向に導入したBY-2細胞の形質転換体のうちBY-2 GLDH cDNAの中程400bpをアンチセンス方向に導入したAS1-1とBY-2 GLDH cDNAの3´-末端600bpをアンチセンス方向に導入したAS2-2の2つがアンチセンスRNAを発現していることが判明した。そこで、この2つの形質転換体の解析を行った。AS1-1およびAS2-2は元のBY-2細胞のアスコルビン酸レベルの24%、27%と低かった。ノーザンブロット分析で、AS1-1とAS2-2のGLDH mRNAの発現は著しく抑制されていることが明らかになった。その結果、GLDH活性も著しく低くなっていた。同調培養した結果、AS1-1とAS2-2の細胞は細胞分裂が抑制され、mitotic indexがwild typeより低くなった。おそらく、アスコルビン酸濃度が低いために起こったと考えられる。細胞生長の速度も遅れた。AS1-1とAS2-2のカルスとwild typeのカルスの形態が異なった。AS1-1とAS2-2のカルスは粘々して軟らかくなった。物性測定によってレオロジカルに軟らかいことが判明した。さらに顕微鏡観察により、これらの形質転換体の細胞は異常に細長くなっていた。すなわち、顕著に一方向に伸長することが判明した。
本研究により、アスコルビン酸レベルが低下すると、細胞分裂、生長、植物細胞の構造に変化が起こることが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 森山三千江, 大羽和子: "莢付き未熟豆の冷却貯蔵にともなうビタミンC量の変化"日本家政学会誌. 52(6). 559-565 (2001)

  • [文献書誌] K.Tabata, K.Oba, K.Suzuku, M.Esaka: "Generation and properties of ascorbic acid-deficient transgenic tobacco cells expressing antisense RNA for L-galactono-1, 4-lactone dehydrogenase"Plant J.. 27(1). 1-11 (2001)

  • [文献書誌] 藤江歩巳, 久保田真紀, 梅村芳樹, 大羽和子: "新鮮ハーブのビタミンC量、DPPHラジカル捕捉活性およびポリフェノール量"日本調理科学会. 34(4). 380-389 (2001)

  • [文献書誌] 大羽和子, 山本淳子, 藤江歩巳, 森山三千江: "市販新鮮野菜および惣菜のビタミンC量-HPLCポストカラム誘導体法による定量値-"日本家政学会誌. 53(1). 57-60 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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