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2000 年度 実績報告書

低アレルゲン化全卵の開発と卵料理素材としての機能評価

研究課題

研究課題/領域番号 12680147
研究機関川崎医療福祉大学

研究代表者

加藤 保子  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10082356)

キーワード低アレルゲン化全卵 / オボムコイド / 卵料理 / 卵アレルギー
研究概要

鶏卵は,乳幼児のアトピー性皮膚炎の代表的な原因であり、その主な治療方法は,原因食物を日常の食事メニューから除くことである。安価で良質タンパク源である鶏卵からアレルゲンを除く方法が検討されてきているが、その代表的なものが凝固卵白を十分に水洗いして,主要アレルゲンであるオボムコイド(OM)を除去すると卵白のアレルゲン活性はほとんど失われるという報告である。しかし,実際の調理の場では、卵白のみを利用する機会は稀で,全卵で利用することが多い。従って,全卵のアレルゲン活性の低減化が課題であり、卵黄膜に付着した卵白も完全に除去する必要が生じる。そこで、小さい切り込みを入れた濾紙を卵黄に密着させて、その濾紙の小穴から卵黄内容物のみ吸引して取り出す方法を考案した。一方、卵白は、NaCl溶液中に糸状にして注ぎ込んで、卵白表面積を大きくして、熱安定性の高いOMが卵白凝固ゲルに出来るだけ入り込まないような加熱方法を用いて凝固させ、更にこの凝固卵白を十分に水洗した。この加熱凝固卵白にOMが含まれないことをSDS-PAGE及びウサギ抗OM抗体を用いたimmunoblottingによって、更に、卵アレルギー患者血清を用いた競争阻害ELISA法で確認した。このゲル形成能を失った凝固卵白に生卵黄を加えた全卵(-OM)が、食品素材としての利用出来るかどうかを代表的な卵料理として卵焼き、カスタードプディング、スポンジケーキ、スチームケーキ及びドーナツの5種類を調製し検討した。ドーナツはそのままで調理可能であったが、カスタードプディングの場合には添加牛乳を減らし、厚焼き卵には1%片栗粉を添加し、ケーキ類にはベーキングパウダーを添加することで、これら5種類の料理を調製することが可能となった。このように簡単な改良で卵白が凝固した全卵でも卵料理素材として十分に利用できることを確認した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 加藤保子: "Ovomucoid nendered insoluble by Heating with Wheat gluten but not with milk casein"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 64・1. 198-201 (2000)

  • [文献書誌] 小澤慶子: "調理可能な低アレルゲン化全卵の調理法とそのアレルゲン活性評価"日本栄養・食糧学会誌. 53・2. 59-64 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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