1.日常的無拘束作業における連続的な筋放電量の測定 これまでは上肢筋活動に関するデータの集積を行ってきたが、本年度は咀嚼筋活動に着目して計測実験が行われた。ホルター筋電計を用いて、機械的噛み応えの明らかな食品25種について、さらには日常的な料理に関して、それらを摂取した際の左右の側頭筋および咬筋放電波形を導出した。食品の機械的噛み応えと筋放電量(μv/sec)との間には相関性が確認された。 さらに、料理を食べている時の筋放電量および全筋放電量(μv/食事)を測定した結果、 1)筋放電量は料理の水分含有量や食品構成に影響される 2)全筋放電量は食事時間に影響される ことなどが分かった。咀嚼回数や意識的咀嚼強度が咀嚼筋活動量を増加させるか否か、食事中の咀嚼筋疲労とその個人差などについては今後の課題となった。咀嚼筋力と上肢筋力との関係についても明らかにしたい。 2.日常的無拘束作業について、携帯式呼気ガス代謝モニター(メータマックスII:今回の補助金によって平成13年1月に納入された)による心拍数、酸素摂取量、呼吸商などの測定 補助金の追加採用であったことから、機器の購入が年度末となった。当面は安静時代謝量、作業負荷時心拍数の回帰直線作成など、基礎的データの集積を行う予定である。本年度内に、上肢筋活動時の消費熱量測定に着手する予定である。
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