研究概要 |
【研究目的】平成12年度からの継続研究として,中学校技術・家庭科の技術分野のための新しい教材の開発を推進した。新しい教材は,プラスチックを扱った簡易型プラスチック射出成形機およびビデオである。射出成形機は,実践的かつ体験的な学習活動を支援する教具であり,ビデオはプラスチック材料の理解と廃棄プラスチックの処理法を紹介する教材である。本研究では,前年度において試作した簡易型射出成形機,簡易金型およびビデオ教材の改善と実践における検討を目的としている。 【研究実施内容】プラスチック射出成形法が理解でき,安全かつ簡単に操作できる射出成形機を実現するために,試作機における加工条件を決定する実験を行った。実験にあたっては,テストピースのための金型を設計製作した。また,射出成形機を具体的な教材とするために数種類の簡便な金型を設計製作した。また,安全かっ簡便に操作できるようにするための検討を行った。ビデオ教材は,プラスチック材料および廃棄プラスチックの処理法を理解できる内容となっているかの確認と実践教育に供して検討を行った。射出成形機およびビデオ教材は,中学校技術科家庭科の教師ならびに関係する指導主事らを交えた検討会を実施し,妥当性・問題点の改善を行った。 【研究実施結果】一般に,射出成形加工では,金型が変わると加工条件を変更する。このことは,本機の教材化にあたっては,実践上の大きな課題となる。テストピースによる最適化された加工条件を利用することで,別途製作した金型のための加工条件変更が容易に行えることを確認した。ビデオ教材は,実際に教室で使用することで,教師型のビデオとして有効であることが確認できた。現場教師らによる検討では,実践における課題が明確になった。
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