研究概要 |
1.科学・技術系キャリア選択の要因についての伝記等による調査 (1)生年や職業分野にかかわらず,「能力・学力」が最大の要因である。 (2)しかし戦前の教育を受けた世代では,家庭や近隣の「環境」と「親の職業」も大きな要因だが,戦後教育を受けた世代では,学校教育の影響の方がはるかに大きい。又同じことが,実業家と学者との違いについても言うことができる。 2.理学・工学・農学系大学教員対象のキャリア選択要因の調査 (1)要因の上位3つは,「性格・適性」,「能力・学力」,そして「学校教師」であった。 (2)学校段階別に見ると,小学校時代は家庭環境や遊びに影響される。教師や理科授業等は中・高校段階で高く,大学・大学院では,教師がトップの要因となる。本やTV番組は中学校に顕著である。 3.科学関連情報の受け止め方に関する調査 科学・技術関連の新聞記事等を読んだとき,既知の内容でなければ,それがデマ情報であっても,身近さ,現実味,具体性を帯びていれば信じやすいことが分かった。これはSTS教育の必要性を支持する。 4.STS的な総合性を持つ高校新設科目「理科基礎」教科書の見本本4種を,科学史素材の位置づけを分析した。 5.学校における環境教育の停滞理由を検討し,環境教育推進の指針を提示した。 6.総合的な学習の時間ためのプログラムを4種開発した。 「出生前診断」,「地域の食」,「日常生活と地球温暖化」および「石けん・合成洗剤」である。
|