研究概要 |
問題づくりを子どもに課すとき,子どもが今までに閉じた文脈について問題をつくることに対する動機付けを工夫する必要があることが分かった。課題や指示があるときに子どもは行動開始をする傾向が強いであろうという予想を立てたが,実際に授業を行ってみると,予想以上に閉じた状況が導かれたときにはこれ以上行うことがないということを強く子どもは行動に表していた。したがって,このような事態に直面したときに,「今度は君たちが先生になって問題を出すことにしよう」という形で動機付けをはかった。この場合,先生に対して肯定的な態度を持っている子どもには動機づけが良くなされるが,そうでない子どもにとっては問題づくりへの動機付けは弱くなっていた。問題づくりがはじめての子どもたちに対しては,具体的事実による観察から教師の示したパターンに沿って問題をつくるという経験を通して問題づくりを行った。 今年は問題づくりを授業の中に取り入れるときの留意点及び困難点が明確になったので,次年度は授業を通して問題づくりを行うことによってどの程度の問題解決能力の向上が見られるかということについての検証へとすすめていくことにする。
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