本研究の第一年次における目標は、(1)特定研究「科学教育」(昭和44年〜昭和52年)のうち、総合科学に関する研究班であった「柿内班」の資料から、文献資料及び記録されている写真等画像情報の第一次データベースを作成すること、(2)平成10年12月及び平成11年3月告示の新しい小学校、中学校及び高等学校学習指導要領の中から社会の変化と教育内容の厳選等に伴う新たな画像及び映像の追加資料を確定し第二次データベースを作成し、CD-ROMプロトタイプを制作すること、そして、本教材の基本的な考え方を検証し拡大するための評価問題の第一次案を作成し、第二年次に資することであった。 その結果、学校教育等でもっとも流通しているデータベースソフトAccess、同じく、特に高解像度スキャナーに添付され広く流通している画像処理データベースソフトPhotoQuicker、さらに、映像処理ソフトウェアMegaViDVと、AuthorwareProfessionalなど応答処理機構のあるCAI用ソフトウェアと容易にWeb情報を含めた関連情報へのリンクが構築できる情報提示用ソフトウェアPowerPointを使って、本教材の骨格となる「自然」「調和」「共生」「科学技術」「人間」「知恵」「比較」を主要基本用語とし、さらに、新たな学習指導要領の「総合的な学習の時間」に例示されている領域の一つである「情報」をもとに抽出した関連用語ネットワークのもとに、1部pdfファイルとして、ハードディスク内に合計211メガバイトの「構造のゆるやかな科学」を構築し、CD-ROM(プロトタイプ)教材として焼き込み、制作した。そして、都内及び千葉県の公立小・中・高等学校各1校における第一次予備実験(教師5人×3校)と、第一次評価問題による調査データの収集と分析を行い、部分的には画像の粗さが目立つことを除き、次年度への足がかりを得た。
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