研究概要 |
片山は,研究協力者と共に,昨年度から継続して,海藻の生育環境と海藻の色および光合成に用いられる光の関係を理解させる実験の開発とそれを取り入れた授業の実践した.この成果については,平成14年8月の日本理科教育学会全国大会および平成15年1月の日本生物教育学会全国大会で報告した.また,別の研究協力者とともにWisconsin Fast Plantsを用いた花芽形成の実験開発のための基礎的な研究を行った.この成果の一部は平成15年1月の日本生物教育学会全国大会で報告した. 中西は,昨年度に続いてムラサキカタバミの単離葉を用いて高校生物Iにおける植物の光応答の教材化を行った.ムラサキカタバミの葉の光依存性開閉運動は,光の質にも関係することが明らかになった.すなわち,完全に閉じている葉は,著しく弱い青色光に応答して開くが,十分に強い赤色光には応答しなかい.同様に完全に開いている葉を弱い青色光のもとに置いても葉は閉じないが,強い赤色光のもとに置くと葉は閉じる.このことから,光応答に関与している光受容体に波長特性のあることがわかる.この研究成果の一部は平成14年11月の第19回アジア生物学教育協議会隔年会議(オーストラリア)及び平成15年1月の日本生物教育学会全国大会で報告した. 同様に,高森は,高校生物I「環境と動物の反応(イ)、刺激と受容と反応」に利用できる演示実験教材を開発した.この教材では,ショウジョウバエが赤色光を視覚できないことを,簡単な器具とOHPを用いて示すことができる.研究の過程で,ショウジョウバエには種あるいは系統によって光感受性に違いがあることもわかった.この研究成果の一部は平成15年1月の日本生物教育学会全国大会で報告した.
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