研究概要 |
平成12年度における遺伝子組み換え作物に対するアンケート調査から、大多数の教師が教材の必要性を感じていた。これらの教材化の一助として市販されている遺伝子組み換えキットを用いて遺伝子組み換え大豆の有無を検出する方法について検討した。キットはSD社(アメリカ)が市販しているものを用い,除草剤耐性大豆(GM大豆)が産生するタンパク質(CP4EPSPS)に対する抗体を組み込んだものである。GM大豆の葉や種子からCP4EPSPSを検出した結果,生のものはいずれも検出が可能であった。また,葉や種子を有機溶媒で脱脂したものについても組み換え体の検出は可能であった。しかし,豆乳を加熱処理することにより抗原性が消却たため,市販の豆腐を用いて検出することには問題があった。これまでの実験結果から市販のキットには限界があるので,組み換え遺伝子本体から発現されるタンパク質のCP4EPSPSを純化精製して,ポロクローナル抗体を作る必要性が生じた。脱脂した葉と種子を用いて,SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い,組み換え大豆葉と種子の比較を検討した結果,大豆種子間ではタンパク質に差異は見られなかった。しかし,大豆葉のタンパク質ではGM大豆葉の46kDa当たりに,通常の大豆では見られない太いバンドが検出された。このバンドがCP4EPSPSに相当するタンパク質であると仮定してGM大豆葉より硫安塩析(50〜80%),ゲルろ過(Sephadex G-100),イオン交換樹脂(DEAE-Sephacel)で純化精製を試み部分精製したが完全に精製できなかった。 また、鳴門教育大学家庭教育講座の平成12年度及び平成13年度(共生の生活づくり-人間と自然の新しい関係づくりに向けて)の公開講座でも現職家庭科教諭に対して、遺伝子組み換え大豆の検出の講義や実験を行った。
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