研究概要 |
今日,学級崩壊とか,科学技術離れ等の言葉で象徴されるように,学校の本質にまで関係するような現象がでてきている.これらは杜会が豊になり,より恵まれた環境の中で生まれてきた現象ではあるが,しかし,その本質は教師がより上手に授業を行えるかどうかに深くかかわっている.しかし,授業研究を考えるとき,その授業の外見的な観察を基にする授業研究は多くの研究者,学校でなされてきたが,この手法の分析では限界にきている.原点にもどれば,子供の学習の実体は脳の変化である.脳の非襲撃的測定はPET, fMRI,脳磁気計等最近のハイテクでいろいろなものが開発されてきたが,高価な以外に装置がまだ大きく,自由な行動測定にはかなりの束縛がある.その意味では脳波測定はかなり自由な状態での行動測定が可能である.しかし,脳波はアルファ波,ベータ波と波長の違うものがでているが,学習との関係でまだまだ未整理ではっきりしない.そこで,理科教育におけるコミュニケーションの在り方を探るべく,脳波測定を試みた.脳波測定は,(1)インターネット使用中の脳波,(2)授業者及び4人の学習者そして参観者1人よりなるマイクロ授業,(3)司会者,ディベータ4人,ジャッジ1入よりなるディベートによる理科授業を試みた.脳波測定は1被験者あたり,13ポイントの測定をおこなった.これらの測定データをもとに分析したところ,脳波測定,脳の活動状況についての有意な知見をえ,学習活動の分析,コミュニケーション分析に,脳波の使用の可能性が実証された.
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