研究概要 |
本研究の目的は,物理学を非生命・生命にバランスのとれた題材を使って編成し,提示形態を単なる文字情報だけでなく,音声や,ビジュアルなもの,動画なども含めたマルチメディアのものにし,これをインターネットを通じて公開することにある。また,それを実際に大学の物理教育に活用し,教育効果を調査することも目的の1つである。 本研究で作成したテキストは2分冊,約370ページからなる。また,テキストは全て電子化し,ホームページから閲覧できるようにした。(http://kawakado/physics/etext/(学内)) 物理の基礎のまったく無い学生のために予習,宿題,試験勉強などの補助を目的としたウェブページも作成した。ウェブページでは宿題や小テストのヒントや試験の解説,講義の予習や理解に役立つ教材(アニメーションを使った運動の表示,他の教材へのリンク,インタラクティブな設問の作成等)を提供した。(http://www.saitama-med.ac.jp/uinfo/butsuri/) いくつかの教材は講義においてデモンストレーションに使用したり,パワーポイントに取り込んでプレゼンテーションに使用した。動く図解やインタラクティブなアニメーションによる動的な表現は,数式が多く無味乾燥になりがちな物理の講義を親しみやすいものにし,受講者の理解を助けるのに役立った。このことは学習効果のアンケートからも伺われた。講義では事前に画面のプリントを配っておき,重要事項にポイントを絞ってノートさせ,学生の理解速度を超えないように配慮した。 物理と生命科学に関する題材を追求する中で得られた有益と思われる知見や,物理シミュレーションの開発などは論文にまとめ刊行した。また,一部本研究の題材を利用した学生の課題研究について,概要集を発行した。
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