研究概要 |
研究目的(1)はファジィ理論を社会科学,人間科学系学部の基礎課程に導入するのに最適な教案を作成することである.これについては,慶応義塾大学商学部の総合教育セミナーで1,2年次学生を対象に,試案にもとづき講義形式で実践授業を行った.毎時限受講生からアンケートを収集し,研究会で分析,検討して,教育内容,教育技術の問題点を抽出,改善方向を見いだすことができた.この結果は3月の数学教育学会で報告した.一部,ゼミ形式で授業を展開したがその結果については,9月の日本ファジィ学会で報告する予定である. 研究目的(2)はファジィ理論を理工,教育,医学,情報系学部の特別講義,セミナー等で実践し,当該学部に適した教材を開発することである.これについては,日本大学理工学部の教養ゼミナールで「人間とファジィ」と題する授業を実践し,毎回の受講生の反応を見つつ授業内容に沿った適切な具体例を開発することができた.また,受講生から斬新な優れたレポートが提出された.この内容については10月の数学教育学会で報告する予定である. 研究目的(3)はファジィ理論を利用した中等教育における「総合学習」の教材を開発することである.その前段階として,早稲田大学本庄高等学院3年生に,「ファジィ理論ゼミ」と題する特別授業を試行できた.受講した生徒に対して行ったアンケート調査から教材研究のための貴重な資料を得ることができた.分析結果は9月の日本ファジィ学会,10月の数学教育学会で報告する予定である. 研究目的(4)のファジィ理論の教育への応用に関しては,ファジィノード・ファジィグラフを教材構造分析に利用する研究を進展させることができた.
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