研究概要 |
研究目的(1)はファジィ理諭を社会科学,人間科学系学部の基礎課程に導入するのに最適な教案を完成することである.これについては,前年度,慶応義塾大学商学部の総合教育セミナーで1,2年次学生を対象に実践授業を行って,教育内容,教育技術の問題点を洗い出した.研究会で分析,検討した結果を,ふまえて,本年度はファジィ測度,ファジィ積分の内容を付加して実践授業を行った.毎時限受講生からアンケートを収集したが,おおむね好評で所期の目的を達することができた.この結果は8月の日本ファジィ学会および9月の数学教育学会で報告する予定である. 研究目的(2)はファジィ理諭を理工,教育,医学,情報系学部の特別講義,セミナー等で実践し,当該学部に適した教材を開発することである.本年度は日本大学理工学部の教養ゼミナールで「人間とファジィ」と題する投業を実践し,前年度と同じく授業内容に適した具体例の開発を続行した.また,4年次学生に「ファジィ推諭を応用した評価法」をテーマにして卒業研究を課したが,興味ある諭文が発表された.これらの内容については9月の数学教育学会で報告する予定である. 研究目的(3)はファジィ理諭を利用した中等教育における「総合学習」の教材を開発することである.7月と2月に早稲田大学本庄高等学院で,特別授業「ファジィ理諭ゼミ」を試行した.受講生に対するアンケート調査から「総合学習」の教材としての可能性が読み取れる.また,清風高校ではロボットの「迷路」をテーマに「総合学習」の教材開発が進行中である. 研究目的(4)のファジィ理諭の教育への応用に関しては,ファジィ推諭を応用した競技モデルの研究,T-ノルムを応用した教材構造分析の研究等を進展させることができた.
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