研究課題
1.クルックス管から放射されるX線の調査と簡便な観察法中学校・高等学校の理科で用いられる放電管の一種であるクルックス管から放出されるx線について、そのエネルギースペクトルが測定された。NaIシンチレーション検出器により40keV程度のエネルギーにピークが認められた。また、ポケット線量計により大略のx線線量が推定可能であることがわかった。さらに、中・高校生が簡便にx線を観察出来る方法として、歯科医療用のx線フィルムが有効であることがわかった。この方法により、クルックス管の各部分からのx線の強度の違いがわかり、x線の制動放射についての指導に役立つことがわかった。今後、クルックス管からのx線について、そのエネルギー分布、ならびに放射線量についてはさらなる分析と検討が必要である。2.屋内で収集された塵からの放射線の観察家庭用電気掃除機により屋内(当教育センター)で1時間程度収集されたチリ紙上の塵を簡易型拡散霧箱で観察し、簡単に身近なアルファ線やベータ線などの放射線を観察できることがわかった。用いられた霧箱は少量のドライアイスでも比較的長時間観察可能なように工夫が施されたものである。また、NaIシンチレーション検出器の使用により、塵からのガンマ線のエネルギー分布を測ることにより、放射性ラドン経由のものであることが確かめられた。3.身近な物質からの放射線の観察キャンプなどで使われるランタンのマントルからのアルファ線とベータ線が簡易霧箱で容易に観察できた。また、ガンマ線のエネルギー分布を調べた結果、トリウム232からのものと矛盾しなかった。また、蛍光灯のスターター用のグローランプからの放射線を簡易霧箱で観察し、これがベータ線であることがわかった。4.その他東京出張の際のポケット線量計の携帯により、関西(大阪)、関東(東京)、飛行機上での1時間当たりの放射線量の有意の差異が認められた。
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