研究概要 |
全国平均で高等学校での地学の履修率は全生徒の6%にとどまっていることが教科書の使用量から推定される。地学教育を活性する一手段として、地学教育と情報教育を融合した「情報地学」の確立をめざし、そのカリキュラムと教材の開発を行った。パソコンソフトウェアを利用して、地学現象にかかわる種々のデータをデータ処理することを通じて地学教育と情報教育の橋渡しをすることを試みた。そのために次のような研究を行った。1.教材の開発:表計算ソフトなど一般的なソフトウェアを利用し,気象観測値のデータ処理を行う教材や,津波のシミュレーションを行う教材の開発を行った。また,数値地図データからフリーウェアのソフトウェアや表計算ソフトを利用して地形を表現する教材の開発を行った。2.データセットの作成:人工衛星による最新のデータからH-R図作成のためのデータセットを作成したり,地上気象観測値や気象衛星画像,季節ごとの画像データのデータセットを作成した。また,自作のデータベース「大阪の自然災害と環境」のバージョンアップを図った。3.カリキュラムの作成:年間3単位となる「情報地学」のカリキュラムを作成した。「情報活用の実践力」・「情報の科学的理解」・「情報社会に参画する態度」を育成することを考慮し,計測・通信、データ処理、シミュレーション、ネットワーク利用、データベースの活用など主要な課題を9項目配したカリキュラムを作成した。これらの成果を教員対象の「ワークショップ」を独自に開催して発表するとともに、報告書としてまとめた。
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