研究概要 |
教育実習生の研究授業では,指導教官は生徒の表情,実習生の板書,生徒のノートなど,多様な場面を参照する.そのために,研究授業の遠隔参観にはこれらの機能を実現する必要がある.本年度の研究では,附属高校大泉校舎(練馬区大泉)と東京学芸大学(小金井市)間で,JAVAによる遠隔操作カメラを導入して解決に当たった.遠隔操作カメラはTV会議システムLiveLAN(PictuteTell社製)に接続し,その他教室前部から教室全体を捉える固定カメラをNetMeeting(マイクロソフト社製)を使って伝送した.回線は1.5Mbpsインターネット,越えるルータは7箇所であった. カメラはSONYのVC-C3(ズーム10倍)を用い,同じくSONYのゲーム器プレイステーションの操作器を遠隔地(小金井市)からの操作に利用した. 画面はカラーで鮮明であり,数学の演習問題(幾何)では板書の文字や図形,生徒のノートを遠隔地から参照することができ,おおむね大学側の指導教官からは好評であった. また,物理の気柱の共鳴実験では,音叉による共鳴の様子を観察でき,遠隔操作カメラは演習形式の遠隔授業だけでなく実験にも十分対応できることが分かった. また,音声も明瞭でこの実験では2つのカラー画面,カメラの遠隔操作を行うことができ,1.5Mbps帯域では十分に実用的な遠隔授業参観を行うことができることが分かった. 本年度の実験の授業参観は片方向であるが,来年度は双方向に遠隔操作カメラを設置し,インタラクティブな遠隔授業を行い,1.5Mbps帯域での遠隔授業の実験を行う予定である.
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