研究概要 |
不登校者等に対する教師等の対応は,その状況に左右されるため様々であるが適応指導教室への通級,保健室登校等が可能となる時期においては,学習指導が可能となる。特に学級復帰を意識し始める時期においては,学習の遅れなどに対する不安が顕著となり個別の学習指導が必須となる。しかし,現実には個々学習者に対応可能な教師等の配置は困難であり,自学・自習により対応せざるを得ない状況である。これらの状況に対して,校内ネットワークを活用した教育方法について各種事例を検討するとともに,オンライン教材の提供への期待について調査し,有効な方法として教師等に期待されていることを明らかにした。教師等が各学校などにおいて1〜数名の,しかも学年等も異なる学習者に充分な学習を準備することは困難であり,学習成立への意欲が強いほど教材提供への期待が高くなる状況にあることが推察される。 そこで,既存のコンピュータ教材を利用した学習状況を検討した結果,個人差はあるものの適切なKRを与えることで学習を継続することは可能であることなどから主に次のように開発方針を検討した。 (1)新規の学習内容については教科書等を重視し,教室での学習との関連性を重視する。 (2)開発教材の広域利用に配慮し,WWW上で利用可能な教材とする (3)学習過程ではプリント教材等の利用を可能とする (4)学習成果を自身で確認可能とするテスト等を配置する (5)遠隔地に分散する学習者間及び指導者とのコミュニケーションを支援する機能を準備する (6)学習進度を自身が確認可能とし,成果を自覚可能とする そこで,これらの機能を有する教材開発システムを整備し,オンライン教材の試行開発を開始した。
|