研究概要 |
従来,遠隔授業やテレビ会議用映像を作成する場合,制作経費の問題からカメラマンなしに制作する場合が多く,テレビカメラの視野が固定されている場合がよくみられる.そのため,講師が移動すると講師の姿が画面に入らなくなったり,講師が指し示した文字や図形が受講生には識別できないなどの問題点があり,魅力のない映像となることが散見される.また視野の固定された変化の少ない映像では,講師の熱意が伝わりにくく,視聴者にとっても他の受講生の表情が見えないため,迫力がなく魅力がない映像となり,受講生に講義内容に対する興味を持たせることがむずかしいという問題点がある.本研究では,カメラマンなしで受講生が見ている映像に変化を与え,魅力的な映像を自動的に作成するアルゴリズムの確立とそれを実行するソフトウェアを開発することを目的としており,今年度は,視野固定カメラの映像を画像処理し,視野可動カメラにより映像を配信する遠隔授業支援システムをパソコンにより構成し,以下の研究成果が得られた。(1)講師の動作認識を行い,ビデオカメラを上下左右に回転させ,講師が移動しても,講師の上半身を画像の中心付近に位置させるように,自動調整することが可能となった。(2)視聴者にとって見やすい大きさまで,自動ズームにより文字列や図表の拡大画像を自動的に撮影することが可能となった。(3)OCRソフトウェアで文字認識ができる程度までズームした画像が撮影できるようになった。
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