研究概要 |
本年度は,前年度開発したシステムを再構成して学校で授業に用い,実践結果を分析して,Webポートフォリオ学習環境による授業方法を提案した。 1 長期的な学習の進展,評価基準に沿う振り返り、を児童生徒が行いやすいように、前年度試験運用したシステムのインタフェースを再構成した。また,ネットワーク上のコミュニケーションを促す「出だし言葉,つなぎ言葉」を調整し,実践対象の児童生徒(小学校高学年,中学生)用それぞれの学習環境を構成した。 2 小学校では,総合的な学習の時間を想定した福祉の授業(30時間)を設計し実践した。中学校では,生徒同士及び教師との相互作用を引き出すことに,より焦点をあてた授業を設計し、理科の時間で実践した。 3 小学校の実践から,ポートフォリオ入力などにかかる時間,ポートフォリオを何度も改善する活動による学習効果,情報の読みとりを深める活動と「しおり機能」や「評価基準参照機能」,他者評価を得る効果と電子掲示板機能の関係,対面での話し合いからネットワーク上での話し合いへの移行,「出だし言葉,つなぎ言葉」と追求の進め方などについての知見が得られた。また中学校の実践からは,中学生がネットワーク上の話し合い(相互作用)の価値を「異なった意見を出し合うことに意味がある」ことに見いだしていったことが示された。 4 学習環境のあり方,学習環境開発スキルの取得ステップ,複数の学習環境の統合法,Web-DB連携の開発法,および実践事例を報告書にまとめた。
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