本研究の目的は、既存のCAI教材に意味的修飾TAGを付加することにより、それを多用途知的コンテンツとするものである。意味的修飾によってCAI教材の各情報の意味・概念が明らかになり、質問応答や対話などへの高度かつ多様な応用が可能になると考えられる。そのためには次の段階を踏むことが必要である。 1)教育目的の意味的修飾TAG集合を定義する 2)CAI教材にTAG付けとそのパーズを行う 3)2)から意味ネットワークなどを生成する 本来、CAI教材を特定の用途に限定せず様々な形で利用しようとすれば、その意味的修飾TAG集合は教育という広い観点から定義するのが理想である。しかし、そのような理想的なTAG集合をトップダウンに定義することは容易ではない。また、それを評価することも様々な要因が関係することになり困難である。 したがって、いくつかの異なる利用の形態を想定したTAG集合を定義し、利用の実験結果をTAGの定義にフィードバックして、その範囲を拡大して行くというボトムアップなアプローチが現実的であろうと思われる。そこで、われわれはドリル演習の問題生成と質問応答という二つの利用形態を想定したTAG集合を定義することにした。 本年度は、それをドリル演習の知的支援で利用する場合の実験を行うため、実験システムC-interestの開発を行ってきた。これは問題文からTAGを手掛かりに問題構造を得、それから自動的に類似の演習問題を生成することを目指すものである。
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