研究課題/領域番号 |
12680232
|
研究機関 | 筑波技術短期大学 |
研究代表者 |
加藤 宏 筑波技術短期大学, 視覚部・一般教育等, 助教授 (50177466)
|
研究分担者 |
皆川 洋喜 筑波技術短期大学, 電子情報学科・情報工学専攻, 助手 (00273285)
|
キーワード | 視覚障害 / 高等教育 / 図認知 / 外的資源 / 触図 / テキスト / 注視点 / 眼球運動 |
研究概要 |
重度視覚障害者のための教材としては点字と触図がある。軽度の視覚障害者の場合は拡大教材等が使用される。このうち触図や図はグラフィック情報であるため、オリジナルからの変換が一意的に確定しない。点字が読める視覚障害者でも触図認知は難しい場合がある。さらに高等教育に限定した場合は図に含まれる概念の抽象度の問題がある。 本研究は視覚障害者の図的教材を触図と弱視用の図教材に分けて検討した。触図については高等教育レベルの触図が少ないことからセンター試験の点字問題を収集(1997-2001)し、触図のタイプを分類し、それぞれの図の解読に必要なエレメントを抽出した。内容についての知識がなくとも、グラフの軸や凡例の意味が読みとれれば解釈できるよう構成されていることが分かった。逆に図のリテラシィがない者には内容についての知識があっても読みとれないことが示唆される。次に実際に視覚障害者に問題を解答させ触察行動を観察した。結果は高等部までに触図リテラシィに対する十分な教育を受けていないことが分かり、触図エレメントの教育プログラムの開発の必要性が示された。図リテラシィのなさが触図の利用しにくさの一要因であることが示唆された。現在、NOMADにより触図と音声ガイドを組み合わせ、音声での補償情報がを触図の読解が増進させることができるか検討中である。 弱視については眼球運動測定装置を導入した。機種は当初予定していた機種では周囲環境に測定が影響を受けやすいことがわかり、ISCANという機種に変更した。図を含むドキュメント解読行動より、弱視が利用しやすい図教材の特性、図のテキスト理解に及ぼす外的資源特性を検討する実験を準備中である。刺激提示はSuperLabというソフトで制御する。次年度はテキスト図混合したドキュメント解読中の注視点行動から図のどのエレメントが読解に利用されたか探る。
|