本実績報告書は、3年次計画の第1年次で、本年度は現在の学校教育における造形美術教育の現状把握と学校教育現場が抱えている問題点の抽出と課題分析及び先行研究の分析考察を行った。 第1に、大学生を対象にして調査を実施して得られた結果から、分析し考察した。その過程で、小学校「図画工作」科及び中学校の「美術科」における現実的な問題点と課題を明らかにし、具体的な教育方法改善の視点のいくつかを明示することができた。この研究考察結果については、山形大学教育学部附属実践研究指導センター紀要「教育実践研究」第10号に、発表題目『実践的教育方法改善の視点-造形美術教育における現状と課題-』にてまとめた。 第2に、研究課題に関連する先行研究及び、関係する文献及び情報の収集に努めた。先行研究の考察対象の1つとして、山形県西置賜地区現職教育協議会の造形専門部会によって、昭和53年に作成された「図工美術科における発達段階に応じた学習内容の系統(試案)」通称-系統試案の分析及び考察を行った。 第3に、日本の系統試案と併行してアメリカにおける美術教育用教科書にも着目し、小学校用教科書の[Discover Art][Adventures in Art][Art Express]、及び中学校用教科書の[Introducing Art]についての分析と考察も合わせて行いながら研究をすすめてきた。 以上の分析及び考察の1年次の研究成果については、平成13年3月26、27日の日程で筑波大学に於いて行われる第23回美術科教育学会筑波大会において、発表題目「造形美術教育体系カリキュラムの構築その1-系統試案とアメリカ美術教育教科書の考察-」で発表を行う。
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