研究課題/領域番号 |
12680247
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平井 明代 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (00312786)
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研究分担者 |
佐久間 康之 福島大学, 教育学部, 助教授 (90282293)
卯城 祐司 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (60271722)
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キーワード | 音声言語情報処理 / リスニングスパンテスト / ワーキングメモリ / 記憶容量 / 侵入エラー |
研究概要 |
最終年度は、EFL音声言語情報処理のメカニズムの解明において、EFL言語能力を構成する様々な要因とワーキングメモリの記憶容量との関係に焦点をあて、これらの関係とその特徴を探った。具体的には、言語能力の様々な構成要因を測定する「EFL言語能力テスト」と音声言語情報に関するワーキングメモリの容量を測定する「リスニングスパンテスト(LST)」の2種類を用い実験を実施した。「EFL言語能力テスト」においては、リスニング・ダイアログ、リスニング・パッセージ、リーディング・パッセージ、ボキャブラリー、文法そしてエラー探しの6つを測定した。LSTのスコアに基づき3群に分類し、「ワーキングメモリの容量と言語理解諸要因との関係」及び「ワーキングメモリの容量とターゲット語の再生エラーの特徴」の2つの視点から分析を行った。結果として、LSTスコアの上位群はEFL言語能力テストにおいても全体的にスコアが高かった。また、ターゲット語の再生エラーの全体的特徴としては、ターゲット語自体の関するエラーが最も多く、次に侵入エラーが目立ち、その一方で、イメージングエラーは僅かしかなかった。これらの結果から、ワーキングメモリ内における音声言語情報処理は処理と保持のトレード・オフといった単純なメカニズムではなく、前出の言語情報等の不必要な情報からの干渉に効率良く対処し、必要な情報のみに焦点をあてていく注意力も必要とされる高度な認知メカニズムであることが示唆された。その研究成果を第8回日英・英語教育学会研究大会にて口頭発表を行った。 また、過去2年間の研究成果で未発表の部分である「文字言語と音声言語情報の処理と保持の相違」及び「リスニング指導における文字提示の役割」について、それぞれ全国英語教育学会・神戸大会、関東甲信越英語教育学会・千葉大会にて口頭発表を行った。現在、これまでの発表論文をもとに、最終科研報告書を執筆中である。
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