[目的]標記の研究課題の2年目としで、次の3項目について研究を進めた。 1.前年度に訪問できなかった高雄日本人学校の家庭科の教育環境の現状を調査した。また、児童・生徒の家庭生活観や家庭科に関する意識調査をし、実態や問題点を明らかにすることを意図した。 2.比較的多くの在学者がいる補習授業校の児童・生徒の家庭生活観や家庭科観を解明した。 3.帰国及び一般児童・生徒の家庭生活観や家庭科観を調査し、特質を明らかにした。 [方法]1.平成13年7月に、高雄日本人学校の学校訪問と家庭科の授業参観を行った。また、小学部5・6年生と中学部1・2・3年生74名の児童・生徒の調査票を回収し統計処理を行った。 2.平成13年4月〜6月にかけて、補習授業校17校408名の児童・生徒に調査を実施した。 3.平成14年2月〜3月にかけて、帰国子女教育研究協力校14校の児童・生徒に調査を実施した。 [結果]1.台北、台中と高雄日本人学校の調査データを総合して分析した結果、部屋の掃除やごみの始末、買い物を約30%以上の児童・生徒がよく手伝っていると回答した。また、約62%が食生活に高い満足度を示していたが、中学生の家庭科に対する意識は高いとはいえない現状が示された。 2.補習授業校の児童・生徒は、母とのコミュニケーションや家族の凝集性など、望ましい家族関係を築いていた。また、現地の生活環境に対しても比較的高い評価をしていた。更に、物を大切にすることや自然環境に配慮した生活などを、帰国後の生活に生かしたいと回答していた。 3.帰国及び一般児童・生徒を対象にした調査票の回収中であり、データの分析は来年度に実施する。帰国児童の家庭科の授業参観により、指導の実際を垣間見ることができ、多くの知見を得られた。 4.平成13年7月、台湾で開催された、The 11th Biennial International Congress of Asian Regional Association for Home Economicsにおいて、The Present Situation and Problems of Home Economics Education at the Japanese Schools in Taiwanと題し、ポスターセッションで発表した。
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