[目的]標記の研究課題の最終年度として、下記の事項について研究を展開した。 1.帰国児童・生徒と一般児童・生徒の家庭生活観や家庭科観の調査をし、帰国児童・生徒および補習授業校の児童・生徒にみられる特質を解明する。 2.帰国児童・生徒を指導している家庭科教師の指導の現状を明らかにする。 3.日本人学校の家庭科の教育環境について調査し、日本人学校の家庭科教育の現状に関する資料を収集し、年間指導計画のデータベースを構築する。 4.研究の最終年度として、3年間の研究を総括し報告書を作成した。 [方法]1.2002年2月〜6月と12月にかけて、26校の小学校および中学校の児童・生徒、一般児童・生徒と家庭科教師を対象に調査を実施した。 2.2002年11月〜2003年2月にかけて、日本人学校88校の学校長および家庭科教師宛に調査票を送付した。 [結果]1.これまでの調査データ(日本人学校、帰国子女、補習授業校、一般児童・生徒)を加味しながら集計・分析した結果、補習授業校の児童・生徒の家庭科に対する意識の低さや帰国児童・生徒の生活に対する意識や態度が一般児童・生徒とは異なることなど、各対象者の特質が明らかになった。 2.帰国児童・生徒の家庭科の授業参観により、帰国のみの授業や混合授業の指導の実際を垣間見ることができ、多くの知見を得ることができた。 3.日本人学校における家庭科担当教師は、自己の専門性や授業時間数の減少を問題点としてとらえていた。また現地生活をふまえた家庭科の教材を工夫していた。 4.2002年6月に日本家庭科教育学会で、11月に日本教科教育学会で口頭発表した。
|