研究概要 |
本年度は,研究3年目の最終年度で,美術館や学校での教育現場を訪ね,担当者にインタービューするなどの実施調査をしながら,収集した資料撮影したビデオや映像の整理を行い,報告書の作成への準備をした。 主な活動としては,愛知県芸術文化センターで「学校と美術館とのあらたな連携を求めて」というテーマの下に,主催者の一人としてシンポジウムを運営した。全国から美術館教育担当者を中心に参加者があった。その他,東海地区の美術館では,夏休み中の子ども対象としたギャラリー・トークなどに,大学院学生とともに参画した。愛知県美術館では,図工・美術科担当教員を中心とした研修会にも参加した。名古屋市美術館では,教員も含めた解説ボランティアの講習会に講師として参加し,生涯学習の実践現場から美術館と学校との連携を体験した。東海地区以外では,山梨県立美術館で普及担当者から学校用配布資料をもとに話を聴いたこと,埼玉県立近代美術館での埼玉大学との「コラボラレーション」を見学し担当者から直接に,大学と美術館との連携の実態と課題を確認したこと,東京都現代美術館では学校用貸し出し教材について担当学芸員から説明を受けたこと,などの調査を行い,合わせて資料収集を行なった。 また,昨年の在外研究で入手した北米の教材資料のいくつかを翻訳し,解説をつけて,シンポジウムの際に展示をし,教員や学芸員を中心とした参加者に,連携の具体的な情報を提供した。 報告書では,連携研究の基本的な見取り図,連携を通して見えてくる学校と美術館のあり方,今後の提案と,それらを裏付ける各地域での連携の実態や課題についてまとめていく。
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