研究概要 |
(1)児童350名,中学生101名,及び大学生75名,計526名を対象に,アンケート調査法によってボールについての認識の実態を調査した結果,ボールの重さや大きさが投距離に与える影響についての理解は加齢的に向上していることが認められた。しかし,児童では「卓球ボールの方がゴルフボールよりも重い」等の記述も見られた。 (2)「総合的な学習」が提言された1995年から新指導要領が告示された1998年12月の間に出版された総合学習に関する書籍,計41冊を対象に,総合学習の意義や理念についての記述を整理・検討した結果,「構造化能力」+「課題解決能力」+「実践力」のまとまりと捉えられる『生きる力』の養成にその意義があるとするのが妥当と考えられた。 (3)2450ある遊び・スポーツの中でボール様遊戯が60%以上を占めることが認められた。 (4)ボールは,「飛距離の追求」「飛行の安定」「操作性の向上」を企図して種々の契機によって変化・発展していることが認められた。 (5)遊びやスポーツの中の身体操作をボールとの関係で整理すると,その背後に「てこの原理」のあることが明らかにされた。 (6)特異なボールを用いて足を使ってバレーボール様のゲームを行うセパタクローについて,その発生の歴史や背後にある風土等の要因を現地調査した。また,イギリスにて,サッカー,クリケット等についても同様に調査した。 (7)上記検討成果に基づき措定された教育内容を指導要領に示されている他教科の内容とも関連させ,「投げる」をテーマにバウンドボールゲームとドッジボールを中心とした小学校中・高学年用の総合学習プログラムを試案した。
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