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2000 年度 実績報告書

日本とイギリスの教師教育における実践的力量形成に関する比較教育的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12680270
研究機関広島大学

研究代表者

木原 成一郎  広島大学, 教育学部, 助教授 (20214851)

研究分担者 磯崎 哲夫  広島大学, 教育学部, 助教授 (90243534)
キーワード反省的実践家 / リフレクション / 教育実習 / 実践的知識 / 学校を基礎とした教員養成 / メンタリング / メンター / 教員養成カリキュラム
研究概要

以下、交付申請書の「研究目的・研究実施計画」欄に記した各項目に対応させて記述する。
1、日本の教員養成の動向と、イギリスにおける「反省的実践家」(ドナルド・ショーン)という教師像に基づく実践的知識の系譜、イギリスのメンタリングとメンターに関する研究動向の把握について資料収集と分析を年間を通じてすすめた。その成果に基づき、下半期に実施する実態調査の質問紙を作成するとともに、教育実習の参与観察の視点やインタビューの準構造的な質問項目の作成を行った。
2、イギリスにおける教員養成カリキュラムの事例の資料収集を行った。現在収集を終えた大学はラフバラ大学であり、引き続きブライトン大学、ロンドン大学・キール大学・マンチェスター大学等の資料収集を行っている。
3、日本の教員養成学部における教育実習の実態調査をA国立大学のB付属小学校を事例として、4年生と6年生の2クラス、合計6名の実習生による体育科の教壇実習と授業反省会の実際を観察するとともに、教育実習後その6名にインタビューを実施した。予定していたビデオ撮影は、教育実習生の過度の緊張をもたらす危険があるので断念し、観察による授業記録の作成にとどめた。現在、その6名のインタビューをもとに作成したトランスクリプトの分析と、彼らの作成した教育実習ノートに見られる記述の解釈を行っている。
4、イギリスの教師教育研究者としてラフバラ大学のロレーネ・ケール(Lorraine Cale)講師を2000年9月に招聘し、本研究計画とこれまでの研究成果について意見を交換した。またケール女史に、「ラフバラ大学での小学校体育の教員養成」と題した講演をいただき、イギリスの「学校を基礎とした教員養成」の実際の成果と課題について理解を深めることができた。
5、スポーツ教育学会20回記念国際大会で研究成果の一部を発表し、その内容を大会記念論文集に投稿し掲載を受理された。その発表の目的は、教師の成長のための反省的共同体の役割を明らかにすることにあった。その際、1980年代前半のイングランドにおける「理解のための球技の指導」(以下TGFUと略)の開発を通じた教師の実践的知識の開発を中心に考察した。考察の結果は以下の通りであった。(1)TGFUの開発の際のアクション・リサーチとして組織されたこのプロジェクトは、「対話と省察と学習のやりとりのための広場を創造する」ことを意図していた。(2)教師たちが彼らの授業の省察を通じて、球技の授業の戦術的内容と子どもたちの創造的な学習経験の存在に気づくようになったことは明らかである。(3)教師へのインタビューにより、その陳述の中に「実践的専門知識」があることが確認された。(4)その「実践的専門知識」には、「生徒の知識、教授方略の知識、内容の知識、コンテキストの知識」という4領域の知識の存在が認められた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Seiichiro Kihara: "The Role of the Reflective Community for Teacher Develoment : Focusing on the Teachers' Practical Knowledge in Physical Education"Proceedings of the International Conference for the 20th Anniversary of the Japanese Society of Sport Education. 283-288 (2001)

  • [文献書誌] 木原成一郎: "体育のカリキュラム開発に求められる教師の知識-イギリスの「理解のための球技の授業」の開発に参加した教師の事例を中心に-"広島大学教育学部紀要 第1部. 49号. 113-120 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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