研究概要 |
本年度(平成13年度)は,体育科における児童生徒の学力実態調査方法の開発に向けた3年計画の第2年次であった.特に本年度は,来年度の学力調査の実施に向けて,1)近畿・中国・四国・九州の各地域の小・中学校の現場教師を対象に,児童生徒の体育の学力実態について聞き取り調査ならびに資料収集(授業データを含む)を実施するとともに,実態調査項目の精選を行った. また,2)日本の児童生徒が体育の学力実態という点からみて,どのような特殊性を帯びているのか?体育教育・授業改革の課題は何か?を明確にする必要から,東アジア(中国・タイ・韓国)を訪問し,各国の子どもの学力と生活実態について,教育関係者から聞き取り調査ならびに資料収集(授業データを含む)を実施した.こうした国内外の予備調査を通じて,学力実態調査方法を仮説的に構成するとともに,共同研究体制を整えてきた. 3)今年度中間報告が出されたOECDのリテラシー調査(国際比較)をはじめ,教育課程研究センターから出された『評価規準,評価方法等の研究開発(最終報告),さらには民間調査機関が実施した各種子ども調査研究報告書を分析し,本研究の分析方法・考祭する際の比較対照データを解析した. だだ,第2年次を修了するにあたって,依然として,体育科学力のうち,認知的成分および『課題解決能力(または自己学習能力)』とよばれる能力の計測の方法が明確にされているとは言えない.この点は,次年度に残された課題である. 次年度は,今年度に仮説的に構成された学力調査方法を現実に適用し,国内およぴ国際比較調査を実施する予定である.
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